死をもたらしたのは猛毒「青酸カリ」

 その後も死亡者は相次ぎ、フライトアテンダントのパウラ・プリンス(35)、メアリー・マクファーランド(31)、メアリー・ライナー(27)が死亡。すべてに共通していたのが、同じ市販薬タイレノールのカプセルだった。

 調査の結果、薬の中には青酸カリが混入されていたことが明らかになる。カプセルは1錠あたり最大610ミリグラムの青酸カリを含んでいたとされ、これは致死量の3倍以上。製造段階ではなく、市販後に何者かが店頭の商品に毒を混入させたことが判明する。

 9月30日、保健当局は「タイレノールを服用しないように」と警告。ジョンソン・エンド・ジョンソン社はすぐに全米で3100万本を自主回収し、100億円規模の損失を被る結果となった。