無言の圧力。“鬼メモ”という名の伏線

(画像=『FUNDO』より引用)
ある夜、夫が寝静まったあと。
Mさんは、夫のジャケットから財布をそっと取り出しました。中には小銭とレシート、カード、そしてメモ用紙1枚。
そこに、たったひと言だけを書いて仕込みました。
「全部、知ってます」
メモには名前も日付も書かれていません。ただその短い一文が、じわじわと効くはず──。
財布の中で、毎日夫が目にする場所にそっと忍ばせて。
「このメモ、いつ見つけるんだろう?」
「見つけたとき、どんな顔をするんだろう?」
そう思いながら、私は普段どおりの生活を続けました。