仕事をする上で「休憩」は欠かせませんが、皆さんはどんな休憩を取り入れているでしょうか?
近くを散歩したり、コーヒーを淹れてみたり、音楽を聴いてリラックスしたり、軽くストレッチしたりと、色んな休憩法が実践されています。
もちろんそれぞれに利点がありますが、外に出たり道具を用意したりと少し手間がかかることは否めません。
しかし豪シドニー大学(University of Sydney)の研究では、注意力や集中力を回復させるには「何もしない5分間の休憩」で十分であると報告されています。
その身ひとつでできる点で「最も効率のいい休憩法」と呼べるかもしれません。
研究の詳細は、2023年6月18日付で学術誌『Educational and Developmental Psychologist』に掲載されています。
目次
- 何もしなくても脳の認知力は回復するのか?
何もしなくても脳の認知力は回復するのか?
休憩は認知能力の回復やパフォーマンスの向上にとって非常に重要です。
しかし休憩の仕方にはさまざまな種類があり、人によってはすぐに実践できないものがあります。
例えば、最近注目されている「森林浴」は近くに自然環境がないとできません。
また外に出て散歩したり、家でコーヒーを淹れるのも「若干、面倒くさいな」と感じる方もいるでしょう。
そこで研究チームは、誰でも今すぐに実践できる「何もしない5分間の休憩」で脳の回復効果が得られないかどうかを調べることにしました。

実験では72人の大学生に参加してもらい、まず学生の集中力や注意力を消耗させるために、スピード条件下(時間制限つき)での暗算テストを約20分間行いました。
そして学生たちを以下の3つのグループに分けます。
1つ目が「休憩なし」、2つ目が「森林を散歩する一人称視点のビデオを5分間見る」、3つ目が「何もせずに5分間を過ごす」です。