ネズミの尻尾は多くの骨が連結しているため非常に柔軟な動きが可能であり、木などに巻き付けることが可能となっています。
さすがにサルの尻尾のように器用に物を掴むことはできませんが、尻尾を巻き付けることで体を固定し、落下防止などに使っていることが知られています。
そのためネズミの尻尾は滑りやすさの原因となる毛が抜けて、皮膚が剥き出しになっていると考えられます。
ネズミの尻尾が不人気な理由

なぜキツネやウサギの尻尾は幸運を招くお守りにされているのに、ネズミの尻尾は気持ち悪がられるのか?
第1の理由は平均を美しいと感じる心理にあります。
私たちの身の回りにいる可愛らしい哺乳類の多くは、尻尾を含めほぼ全身が毛皮で覆われています。
そのため私たちの意識の中には、可愛らしい動物は尻尾もフサフサであるという認知バイアスが形成されています。
可愛い想像上の動物を描くように子供たちに頼むと、きっと多くはフサフサ尻尾を持つものが描かれるでしょう。
反面、毛のない尻尾を持つネズミはその認知バイアスから外れるため、人々の目に奇怪ものに映るのです。
同じような外見をしていながら、尻尾に毛が生えており、なおかつ先端がフサフサしている砂ネズミが何故か可愛くみえるのも、認知バイアスのたまものと言えるでしょう。

第2の理由も心理的なものとなります。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のことわざのように、人間は好きあるいは嫌いな存在がいると、その存在が持つ部分的な要素も連動して好きまたは嫌いになっていきます。
この現象は心理学的にはハロー効果として知られており、人間に存在する普遍的な心理の1つとなっています。
過去に行われた研究では、このハロー効果が裁判の結果や企業の人事、学校の成績など幅広い分野で猛威を振るっていることが報告されています。