日本は3,170ドルで、OECD30か国中17位、G7中4位です。先進国の中では平均的か、やや少ない水準になるようです。

4. 対国内総生産比の推移

続いて、稼ぎ出す付加価値の合計である国内総生産(Value added, gross)に対する比率でも比較してみましょう。

図4 固定資本減耗 対国内総生産比 宿泊・飲食サービス業OECD Data Explorerより

図4が宿泊・飲食サービス業における固定資本減耗 対国内総生産比の推移です。

各国で2020~2023年と急激に上昇しています。

コロナ禍において、この産業が大きく影響を受けたことを示しています。

この指標は、固定資本減耗を国内総生産で割ったものですので、緩やかに変化する固定資本減耗に対して、国内総生産が大きく減少したことで、計算結果が急激に上昇した事になります。

日本は金額で見れば低い方になりますが、対国内総生産比だとフランスを超え、イタリアと共に高い水準が続いているようです。

日本の宿泊・飲食サービス業は特にパートタイム労働者の多い産業です。

日本の場合は、それだけ労働者の仕事に価値がつきにくい産業構造になっている事が窺えますね。

5. 対国内総生産比の国際比較

最後に、対国内総生産比の国際比較をしてみましょう。

図5 固定資本減耗 対国内総生産比 宿泊・飲食サービス業 2022年OECD Data Explorerより

図5が2022年の固定資本減耗 対国内総生産比の国際比較です。

日本は18.0%でOECD30か国中1位、G7中1位となっています。

ただし、図4で見た通り、この産業ではコロナ禍の影響を受けていて、2022年の時点で例年並みの状況に戻っている国もあれば、日本、フランスのように高止まりしている国もある事にご注意ください。

6. 宿泊・飲食サービス業の固定資本減耗の特徴

今回は経済活動のうち宿泊・飲食サービス業の固定資本減耗について着目してみました。