今回の教皇の葬儀には、フェリペ国王夫妻とともに、第1副首相兼財務相のマリア・ヘスス・モンテロ氏ら数名の閣僚が出席した。一方、サンチェス首相の意向で動くとされる外相アルバレス氏は欠席した。

2021年にアルバレス氏が外相に就任して以降、外国元首の公式訪問はあっても、「国賓」としてスペインを訪問した例はない。これはサンチェス政権下での外交の劣化により、スペインへの関心が国際的に低下しているためである。フェリペ6世国王には依然として国際的な信頼が寄せられているが、サンチェス首相には外交上の訪問価値が見いだされていないのが現状である。

たとえば、トランプ前大統領はサンチェス首相にまったく関心を示さなかったが、在任中にはフェリペ国王夫妻をホワイトハウスに招待する意向を示していた。しかし、コロナ禍によりその計画は中止された。トランプ氏はスペインとの外交関係を、サンチェス首相ではなくフェリペ国王を通じて展開したいという意向を持っていたからである。