私の最大の懸念はゴーン問題、ルノー問題に明け暮れ、内田体制で会社の体を立て直すも人事問題も含め、有能な人材が流出してしまった点です。また自動車会社として6-7年の間、クルマ作りに正面から向き合ってこなかったのです。本来なら日産はEVの先駆者でしたからその戦略をきちんと貫けば今頃立ち位置は違っていた可能性すらあります。同社は13万人強いる従業員をはじめ、家族、関連会社、そして顧客や株主に対して明白で分かりやすいポリシーの下、リーダーシップを発揮できず、皆が不信感を持っているのです。新車がぽつぽつ出るようですが、革新的かと言えば成熟産業の中で「ハリボテ」的なものになっていないか、心配なのです。

ここまで八方ふさがりなら私ならいっそうのこと、分社化させ、日産本体を持ち株会社にし、地域ごとの生産や販社、及びEV部門、軽自動車部門などをぶら下げ、売却した方が良いものは積極売却し、いったん軽量級に変えた方が良いとみています。これは総合自動車会社として経営陣の数も能力もあまりにも不足しているからです。ホンダとの提携話は日産の屋台骨を維持する前提だったと思いますが、そこにこだわらない方がよいと考えが変わりました。将来的にはクルマは買うものではない時代が来るとみています。そこまで先見の明をもって再建プランを作らないと本当に残影すらなくなってしまいます。

後記 スポットで仕事をお願いした業者からの請求書をみてびっくりすることがしばしば起きます。作業時間65時間で65万円の請求をしてきた業者には「うちにはオタクの作業員が何日の何時から何時まで作業したか記録がある。それによると15時間しかないけどどうする?」と反論しました。また、2年ぐらい前に68万円の請求書を送ってきた業者には1円も払えないと突っ返したのですが、わけワカメの債権回収代行業者からマシンガントークの電話がたまにかかってきます。「払え!」「払わない!」「なら訴訟する!」「どうぞ」と返してます。代行業者に訴訟など出来ないのです。また私と先方の金額の折り合いの差はわずか15万円程度。これでは弁護士の3時間分にしかなりません。理不尽なものは突っぱねるのですが、こういう話はエネルギーを持っていかれるので疲れます。