サイバーエージェントが15日、2025年9月期第2四半期連結決算を発表した。同社は第1四半期で売上高が前年同期比5.6%増の2038億円、営業利益が32.1%増の83億円となり、今年度順調な滑り出しをみせていた。これまで赤字が定着していた「ABEMA」事業の損失が改善したことで、メディア&IP事業の営業利益が前年同期の7億円の赤字から14億円の黒字に転換。全社の業績において同事業が利益貢献を開始。これまでは広告事業とゲーム事業で生まれた利益をメディア事業に投資してきたが、今後はメディア&IP事業と広告事業で生んだ利益を使ってゲーム事業でヒットを狙うフェーズに転換した。一方、全売上の約3割を占めるゲーム事業は第1四半期、一部既存タイトルが落ち込んだ影響で売上高・営業利益ともに減収減益となっており、第2四半期では回復するかが注目されていた。第2四半期決算の速報をお伝えする。

業績ハイライト
同社の25年9月期第2四半期決算の売上高は前年同期比3.4%増の4212億円、営業利益は同9.7%増の292億円、最終利益は同74.2%増の159億円。売上高は過去最高を更新した。





メディア&IP事業は「ABEMA」「WINTICKET」などの売上が積み上がり、売上高は1127億円(同12.4%増)、営業利益は47億円の黒字となり、前年同期の赤字から黒字転換を果たした。「ABEMA」はアニメやバラエティ等の人気ジャンルに加え、メジャースポーツの視聴が好調だった。IP事業は少額出資から関係性を構築し、主幹事のアニメ作品が増加。今後は出資と並行しオリジナルIPの創出を目指す。同社は「IPを原作から生みだし、マネタイズまで一気通貫できる体制を構築中」だと説明する。なお、当会計期間より、「ABEMA」を中心としたグループシナジーの強化を目的として「その他事業」を「メディア事業」へ統合し、またアニメ等のIP事業の拡大を目指し従来の「メディア事業」の名称を「メディア&IP事業」に変更した。

インターネット広告事業は引き続き好調で、新規開拓等が積み上がり、売上高は2353億円(同11.1%増)、営業利益は120億円(同11.6%増)の黒字となった。社内向けに開発したAIエージェントを顧客向けにも販売開始した。
Cygamesなどのゲーム事業は前期2月に発売しヒットしたコンソールゲームの反動があったものの、新規タイトルや周年記念等が奏功したことで売上高は897億円(同20.1%減)、営業利益は187億円(同13.9%減)となった。ただ、第1四半期比でみると売上高は34.6%増、営業利益は4.6倍と回復基調。4月にリリースした新タイトル「SDガンダムジージェネレーションエターナル」はユーザー評価が高く好調なスタートを切ったという。


その他、サイバーエージェント・キャピタルなどの投資育成事業は売上高が6億円(同28.6%減)、営業利益は8億円の赤字となった。