今回の研究は、野生のチンパンジーが人間に似た医療文化の萌芽を持っていることを初めて本格的に示した貴重な成果です。
この行動は人間の医療行動の起源を探るだけでなく、動物たちの認知能力や社会性の奥深さをも浮き彫りにしています。
人類の医療のルーツは、遠い祖先が森の中で仲間の傷に植物をそっと塗ってあげた瞬間から始まったのかもしれません。
今後もこの分野の研究が進むことで、「治すこと」「助けること」という行動の進化がどのように形成されてきたのかがさらに明らかになることでしょう。
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参考文献
Chimpanzees use medicinal leaves to perform first aid
https://www.frontiersin.org/news/2025/05/14/chimpanzees-medicinal-leaves-first-aid-frontiers-ecology-evolution?utm_source=semafor
元論文
Self-directed and prosocial wound care, snare removal, and hygiene behaviors amongst the Budongo chimpanzees
https://doi.org/10.3389/fevo.2025.1540922
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部