ロシアの大富豪(オリガルヒ)や中国共産党幹部たちは自国の旅券の他、欧米諸国のパスポートを密かに有しているケースが多い。ロシアや中国では欧米社会の文化を堕落社会と酷評し、自国の国体が欧米のそれより優れていると豪語する一方、彼らの多くは通称ゴールデン・パスポートを呼ばれる欧米諸国の旅券を購入済みだ。その目的は、自国で自身の資産や家族の安全が危なくなった場合、欧米諸国に合法的に亡命するためだ。彼らにとって欧米の旅券は一種の‘生命保険‘のようなものだ。

新教皇レオ14世、バチカンニュース公式サイトから
ところで、世界で約14億人の信者を誇るローマ・カトリック教会最高指導者、ローマ教皇に今月8日選出された米国人のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿は3か国の市民権を有している。米国の大都市シカゴ生まれのプレボスト枢機卿は当然米国の旅券を有している。 新教皇レオ14世は人生の半分をアメリカ国外で過ごしてきた。アウグスチノ会時代を経過した後、宣教師としてペルーで24年間暮らし、最初は貧しい農村地帯のチュルカナスで、その後はトルヒーリョで神学校の校長および教会法の教授として歩み、2015年からはチクラヨの司教として歩んだ。プレボスト司教(当時)は同年、ペルーの国籍を取得している。
前教皇フランシスコは2023年、プレボスト司教をバチカンに招き、司教省長官に任命し、その直後枢機卿に任命している。その際、プレボスト枢機卿はバチカンからパスポートを受け取っている。バチカンニュースによると、バチカンのパスポートは他の国の旅券を既に有している者にだけ発給されるもので、国籍を意味する通常の旅券とは異なるという。
ロシアのオリガルヒや中国共産党幹部達がうらやむかもしれないが、プレボスト枢機卿は自身が願ったわけではないが、3か国の市民権を得たことになる。バチカンニュースは9日、「新教皇は真の国際人だ」と呼んでいる。