そして実験では、このナノ傾斜材料が最適化され、従来の材料であるプラチナを上回る性能を発揮することを示しました。

今回の研究は、地球上に豊富に存在するシリコンとアルミニウムで、レアメタルであるプラチナを超えることができた点で、画期的な成果を示したと言えます。
この新しい材料は、MRAM(磁気を使った次世代メモリ)やスピントランジスタ(磁気を使った次世代トランジスタ)など、省電力かつ高性能なメモリや演算デバイスへの応用が期待されています。
「レアメタルへの依存から脱却し、ありふれた材料に秘められた可能性を最大限に引き出す」
今回の研究は、科学技術の限界を一歩押し広げた素晴らしい例となりました。
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参考文献
シリコンとアルミニウムでプラチナ超えるスピントロニクス材料を開発-レアメタルに依存しない次世代メモリへの応用に期待-
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2025/5/12/28-166914/
元論文
Nanometer-thick Si/Al gradient materials for spin torque generation
https://doi.org/10.1126/sciadv.adr9481
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。
編集者
ナゾロジー 編集部