また北朝鮮を手なずけたのが大きかったと思います。今回、金正恩氏がモスクワに行かなかった理由は習近平氏が行ったから、とされます。それを「序列が理由」とした専門家もいるのですが、私はそうではなくて金氏が習氏に会いたくなかったのだと思います。あるいは習氏が「金氏を招待するな」とプーチン氏に事前に依頼したかもしれません。品のない表現をすると金氏は習近平氏に忠誠を誓う立場なのに、プーチン氏に浮気し、その愛人になったわけです。習氏は頭にくるでしょう。そんな金氏には会いたいわけがないのです。

今回の停戦交渉が不調になった場合、ゼレンスキー氏の手腕が問われる可能性はあります。私は以前から大統領選をして国民に信任を問うべき、と申し上げてきました。ずるずる戦争を続けるのは欧米にとっても迷惑千万であり、ゼレンスキー氏の立場を決める瀬戸際にあるようにも感じます。

最終的には双方の言い分を欧米や関係国がどれだけ調整し、落としどころを設定するかというプロセスにおいてようやく入り口に達したという感じではないかと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年5月12日の記事より転載させていただきました。