「QSCの向上を不断に継続し続けることが、売上増や営業利益増につながる」
餃子の王将は前述のとおり相次ぎ値上げを実施してきたが、客数は順調に推移している。今年度、昨年4月から今年2月までの11カ月の直営既存店の客数をみてみると、前年同月比で減少となったのは昨年7月と10月のみ。業績も好調で、25年3月期の営業利益は過去最高を更新する見通しとなっている。
外食チェーン関係者はいう。
「餃子の王将は、じわりと価格が上昇しているとはいえ、業界全体で値上げが進行しているため“他の店に比べれば安い”という状態はキープされているので、外食する消費者からは選ばれ続けているということでしょう。餃子と炒飯を注文すると、ほぼ1000円でお腹いっぱいになれますし、餃子の王将はメニューのバラエティが豊富で一品あたりのボリュームも多いので、数人のグループ客が居酒屋として使うという光景も目立ちます。4人で2時間滞在してもお会計が1万円いかないということも珍しくないでしょうから、やはりコスパ面での強さが際立ちます」
業績好調の要因は何なのか。王将フードサービスはBUSINESS JOURNALの取材に対し、次のように説明する。
「QSCの向上を不断に継続し続けることが、最終的に価格改定後も客数が伸び、結果として売上増や営業利益増につながると考えております。例えば、人への投資として、社内研修『王将調理道場』のオンライン化を特にコロナ渦に進め、従業員の移動が制限されるなかでもギョーザの焼き方や、調理全般について受講者数を伸ばしました。また、関西の基幹工場である久御山工場(京都府久御山町)で、ギョーザの生産能力もコロナ流行中に増強をいたしました。販売促進では、ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーンや、生ビールの割引キャンペーンを実施するなど、これらを効果的に展開することができたことが、客数の増加となった理由の一つと考えております。
このように価格に見合った価値をご提供できれば、値上げにつきものの、客離れは起きないのではないかと思っております。引続きこれからも、更なる価値創造に努め、本年のスローガンに掲げた『プロの技と、プロの味と、プロの誇りを。』持って『お客様から褒められる店』を実現してまいります」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)
提供元・Business Journal
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