原材料・エネルギーコストの高騰を受けて外食業界全体で値上げが進むなか、2022年から今年にかけて計5回にわたり値上げを行った「餃子の王将」。今年2月には「餃子」が341円(税込/地域によって異なる/以下同)から363円に値上げされたが、同月の客数は前年同月比で増加となり、2025年3月期連結決算の営業利益は15期ぶりに過去最高を更新する予想となっている。その背景には、コロナ禍の時期に外食チェーン各社が投資を抑制するなか、運営会社の王将フードサービスが投資額を増やし、従業員教育や製造設備の整備、直営店の出店などに積極的に投資をしたことがあるという。同社への取材を交え、業績伸長の理由を追ってみたい。

“ちょっとずつ複数の料理をつまむ”という楽しみ方も提供

 723店舗(2月末現在)を展開する「餃子の王将」は、国内の店舗数ベースでは2位の「熱烈中華食堂 日高屋」に300店舗以上の差をつけ、「幸楽苑」「大阪王将」「バーミヤン」など抑え中華料理チェーン1位の座にある。ここ数年、複数回にわたり価格改定を実施。看板メニュー「餃子」については2022年から今年にかけて計5回にわたり値上げを行い、現在は363円。ちなみに他チェーンの餃子6個入りメニューをみてみると、「日高屋」は300円、「幸楽苑」は280円、「大阪王将」は310円、「バーミヤン」は329円となっている。また、人気メニューの「炒飯」をみてみると、「餃子の王将」は693円、「日高屋」は530円、「幸楽苑」は370円、「大阪王将」は690円、「バーミヤン」は626円となっている。

「餃子の王将」のその他の一品料理は500~700円台のものが目立つ。たとえば「ニラレバ炒め」は638円、「酢豚」は682円、「餃子の王将ラーメン」は748円、「焼そば(ソース)」は638円、「天津飯」は737円。もっとも、各メニューについてレギュラーサイズの2分の1~3分の1ほどの量の「ジャストサイズメニュー」も用意しており、こちらは300円台のものが多く、“ちょっとずつ複数の料理をつまむ”という楽しみ方も提供している。