しかし地球に衝突したとしても、先に述べた通り多くは大気圏を通過する中で燃え尽きたり、粉々になるので、地上に影響を及ぼすようなサイズの隕石が残ることは稀です。
それでも記憶に新しいところでは、2013年に直径17メートルの隕石が大気圏に突入し、ロシア・チェリャビンスク州の上空で爆発して、甚大な被害を与えました。
その爆圧の衝撃は広島に落とされた原爆の20〜30倍とされています。

一方で、単独の小さな隕石が人にぶつかる確率はどれくらいでしょう?
その試算を米テュレーン大学(Tulane University)の地球科学者であるスティーブン・ネルソン(Steven Nelson)氏が2014年に試みて、人が一生の間に隕石の直撃で死亡する確率は160万分の1と推計しました。
ただしこの試算は高く見積もった場合であり、この他には8億4000万分の1と大幅に異なる数字を出している研究者もいます。
一言でいってしまえば、隕石が人に当たる確率はほぼゼロというわけです。
そのため、この事件の落下した石が本当に隕石だったのかどうか、という点について、他の専門家は疑問を呈しています。
パリ=サクレー大学の惑星科学者シルヴァン・ブーレイ教授は、公開された石の写真を見て、角張った形状や泡状の表面が隕石には見られない特徴であり、火山岩の可能性が高いと指摘しています。
このフランスでの出来事が本当に隕石によるものであれば、人に直撃したのは史上2例目になると言われます。そうなるとこの女性はとんでもなく幸運か、悪運が強かったと言えるでしょう。
巨大隕石の衝突が大陸を作った有力な証拠を発見!
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参考文献
Woman in France hit by suspected meteorite while drinking coffee on her porch
https://www.livescience.com/space/meteoroids/woman-in-france-hit-by-suspected-meteorite-while-drinking-coffee-on-her-porch