国会議員の生産性は、ひどい状況であると言わざるを得ません。「石破首相の答弁は丁寧だけど、中身がない。それが石破構文だ」「姿勢は謙虚でも、質問に正面から答える姿勢は全くない」(1月5日日テレNEWS NNN)等々と野党幹部にも批判されるように、石破氏が国のトップでは生産性が上がるはずもありません。覇気と情熱を持って国民に訴えられる総理が出て来ないものでしょうか。多くの人が期待している小泉進次郎氏も「私は言葉に体温と体重をのせたいと思っている。そしてそれだけ思うきっかけになったのは、体験なんです。それは言葉は体験から生まれるということです。骨が記憶をしているくらいの体験をしてください」(17年2月17日ログミーBusiness)といった具合で、是非誰もが分かり易く話して貰いたいものです。

田中角栄元総理というのは「政治家は発言に、言っていい事・悪い事、言っていい人・悪い人、言っていい時・悪い時、に普段から気を配らなければならない」と述べておられ、之を実行した人でありました。先ず以て角栄さんのように、言うべき事柄をスパッと分かり易く説得力ある形で喋らねば、政治の生産性は高められないのです。いま国会という大事な場では相も変わらず、殆どの議員が官僚による作文を読んでいるだけで、答弁しています。官僚に何もかもを丸投げして、読むだけの国会答弁のため官僚の大切な時間が浪費されるのは、余りにも無駄が過ぎるでしょう。国家経営の中枢に在る者ならば、自分で言うことぐらい自分で考えたら良いではないか――少なくとも小生は、経営者の端くれとしてそう思います。

編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2025年5月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。