先日、TOCANAでも報じたコロンビアの町ブガに突如として現れた謎の金属球「ブガの球体」。その正体を巡り、UFO学界隈やインターネットが騒然となっている。この球体をX線分析したとする初期評価が、UFO研究家として知られるメキシコ人ジャーナリスト、ハイメ・マウサン氏によって発表されたのだ。しかし、その分析内容や手法に対し、専門家からは厳しい指摘が相次いでいる。
この騒動の発端は、2025年3月に撮影されたとされる動画だ。金属製の球体がブガ上空を飛行して落下する様子が捉えられており、数週間後にインターネット上で急速に拡散した。「ドン・ホセ」と名乗る人物がこの物体を回収し自宅へ持ち帰ったとされ、当初滑らかに見えた球体の表面には、その後、未知の図形や文字のようなレリーフ状の模様が現れたという。さらに、この球体に触れた人々が体調不良を訴えたり、物体自体が放射線を帯びていたりしたとの情報も飛び交い、ミステリーは深まるばかりだ。
X線が暴いた「驚くべき内部構造」?しかし…
マウサン氏が「予備段階」として公開したX線分析は、メキシコ国立自治大学の獣医学部に籍を置くとされるホセ・ルイス・ベラスケス医師が、携帯型の獣医用X線装置を用いて行ったものだ。その結果は驚くべきものだった。球体は中空ではなく、複数の密度を持つ多くの層で構成されているという。高密度の厚い層が内部を取り囲み、その中には「マイクロ球体」と呼ばれる16の点が核を囲むように存在しているとのことだ。そして何より、溶接や接合の痕跡が一切見られないというのだ。ベラスケス医師は「非常に珍しい」「ユニークな物体だ」と強調した。

この結果だけを見れば、ブガの球体が地球外の技術で作られた未知の物体である可能性も否定できない。しかし、この分析手法と結果の解釈に対し、冶金学の専門家サンドロ・ゴンサルベス氏は厳しい見方を示す。「金属の可能性がある材料に、獣医用の画像診断装置を使うのは馬鹿げている」と一刀両断。適切な分析には工業用のX線装置や電子顕微鏡など、より専門的な機器と手法が不可欠であり、今回の分析は表面的なものに過ぎないと指摘した。また、球体表面の謎の刻印についても、「酸やレーザーを使えば手作業でも同様のマーキングは可能だ」とし、まずは球体の材質を特定することが先決だと述べた。