地球軌道の外側から、その様子を実際に眺めるというのは非常に珍しいでしょう。
本プロジェクトに参加した仏ソルボンヌ大学(Sorbonne University)の天文学者ホルヘ・エルナンデス・ベルナル(Jorge Hernández Bernal)氏は「このスナップショットに写る地球は、100メートル離れた距離から見たアリぐらいの大きさしかありませんが、私たちは皆その中にいるのです」と話しています。
実はマーズ・エクスプレスは出発直後の2003年7月3日にも、地球から約800万キロの位置から振り返って「地球と月」の姿を撮影していました。
それがこちらです。

これを見ると、マーズ・エクスプレスがいかに遠くまでたどり着いたのかが分かるでしょう。
そしてESAの研究チームは今回の撮影について「ある一枚の写真を想起させる」と話します。
それが1990年に撮影された「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」と題されたものです。
史上最も遠くから見た「地球の姿」とは?
「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」は、1990年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人宇宙探査機「ボイジャー1号」によって撮影された地球の画像です。
ボイジャー1号は1977年に打ち上げられ、1990年に約60億キロの距離を越えて、太陽系から離れようとする際に地球を撮影しました。
それがこちらです。

60億キロも離れた彼方から見ると、地球はもはや砂つぶのような小さな点にしか見えません。
この一枚はアメリカの天文学者で作家でもあったカール・セーガン(1934〜1996)の依頼を受けてNASAが撮影したもので、現状、最も遠く離れた場所から撮影された地球の写真となっています。