釣りの醍醐味は何と言っても「引き味」にある。竿を通して感じる魚の引きは、釣り人にとって最も興奮する瞬間であり、その違いを感じ分けることが楽しさを倍増させる。魚によって引き味はそれぞれ異なる。今回は、沿岸で狙える代表的な魚4種の引き味の特徴について、主観で擬音語的に紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
メバルは「グググ」と引き込む
メバルは、春の夜釣りでよく狙われる魚だ。その引き味は、軽快でありながらも鋭い感覚を与える。最初のアタリは比較的小さい。しかし、その後、少し強い引きが感じられると、「グググ」と重みが乗って竿がしっかりと曲がり始める。大型になると足元に突っ込んでいかにも重苦しく暴れまわるのが特徴。

メバルは小型でも比較的よく引く。初心者にも適しており、釣りの感覚をつかむにはうってつけの魚である。抜き上げなんかはあっさりしているが、釣る前、ドラグを微調整しながらノセるまで持っていくことが楽しい。
カサゴは「ドスッ」と重いアタリ
カサゴは根魚で、海底にいることが多い。ボトム付近で食い込んだときの感触は「ドスッ」という重さがある。水圧もかかる分、底で鈍い抵抗感を示すカサゴの引きは、かかった瞬間はスリリングだ。

しかし、カサゴは顔を上に向かせてしまうと、あとは「ナー」という感じで何事もないように上がってきてしまう。専門的に数釣りするには面白いが、釣り味を存分に感じたいときにはメバルに分がある。
アジはドラグ音を楽しもう
アジは群れを作って行動する。小型はかわいらしいものだが、20cm以上の中アジになると、その引きは強くなる。さすがに回遊魚。アジが食いついてから引き込むまでの初動が早く、まさかあんな細身の魚とは思えない引きを見せる。大型になると頭を振るような動きも示し、ドンドンと鈍い感触も伝わる。
