バチカン市で7日午後5時(現地時間)、フランシスコ教皇の亡き後の次期教皇を選出するコンクラーベがシスティ―ナ礼拝堂で始まった。コンクラーベには世界の252人の枢機卿から80歳未満の枢機卿が参加できるが、2人が健康理由で欠席したため参加した枢機卿は133人だ。選出のためには3分の2,89人の枢機卿の支持が必要となる。

第1回投票の結果を知らせるシスティ―ナ礼拝堂の煙突から黒い煙、2025年05月07日、バチカンニュースから

第1回目の投票は7日午後6時頃から始まった。予定より3時間余り遅れて午後9時頃、システィーナ礼拝堂の屋根の煙突から黒煙が上がった。第1回投票ではフランシスコ教皇の後継者が選ばれなかったことを意味する。サン・ピエトロ広場周辺には投票結果を知るために煙突を見つめる数千人の信者が集まっていた。

ドイツ民間放送ニュース専門局NTVによると、「コンクラーベに参加している133人の枢機卿は71か国からの出身者だ。枢機卿同士は互いに他の枢機卿を知らないことが多い。だから枢機卿間の交流が進むためには時間が必要だろう」という。フランシスコ教皇は過去、世界各地から108人の枢機卿を選出してきたこともあって、枢機卿の勢力図はこれまで以上に世界的な広がりを見せている。

なお、8日から新教皇が選出されるまで午前10時半、12時、17時半、19時と日に4回の投票が実施される予定だ。3日間連続で白い煙が出ない場合は、コンクラーベは休会となる。ちなみに、ベネディクト16世の場合は4回目、フランシスコ教皇の場合は5回目の投票で選出されている。

コンクラーベ開催への式典は7日午前10時にサン・ピエトロ大聖堂でローマ教皇選出のためのミサで始まった。午後4時30分には、システィーナ礼拝堂への厳粛な行列が始まり、出席した133名の枢機卿が一人ずつ福音書に手を置いて宣誓し、規則を遵守し、外部からの干渉を一切許さず、秘密を守ることを誓った。