専門家によると、人が水なしで生きていける期間はわずか3~7日とのことです。
しかもこれは一般的な気温や湿度の下での話であって、砂漠のような暑い場所であれば、その日数はさらに短くなります。
また、子どもや乳幼児ではもっと短い期間しか耐えられないでしょう。
ちなみに過去に知られている水なしの最長記録は、1979年4月にオーストリア人の男性、アンドレアス・ミハヴェッツ(Andreas Mihavecz)が記録した18日間です。
当時18歳だった彼は、自動車事故の同乗者だったために一旦留置場に勾留されましたが、彼を担当した3人の警官は誰かが解放したと勘違いして、彼の存在を完全に忘れ去っていました。
地下の独房に入れられていた彼は、叫び声をあげてもまったく誰も気づかれず、結局18日間、水も食料もなしで壁に結露した水を舐めて生き延びたといいます。
その後、独房の悪臭に気づいた警官によって見つけ出されましたが、健康を取り戻すのに数週間を要したそうです。
助け出されたときの彼の体重は24キロも減っていたといいます。ちなみに彼の生存記録はギネスに登録されています。
これは極めて稀な事例であり、普通は満足な水分なしに18日間も生き延びることはできません。
そのため一般的には水を摂取できない場合、人間はだいたい3日を過ぎると危険であると考えるのが妥当でしょう。
生活のライフラインである、電気・ガス・水道のうち、水道は料金を滞納しても一番長く待ってくれると言われているのも、こうした事実があるためです。
「食べ物なし」ではどれくらい耐えられる?

人が食べ物なしで生存できる日数は、水なしに比べるとずっと長くなります。
それは先ほど説明したように、筋肉や脂肪の貯蓄があるためです。
一般に人体は、摂取した食べ物を燃料としてエネルギーに変換します。
たとえば、三大栄養素として知られる炭水化物はグルコース(ブドウ糖)に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸に変えられ、エネルギー源となります。