競争相手がいても変わらない? 時間感覚のミステリー

 さらに意外だったのは、競争相手がいるかどうか、あるいは勝とうと努力するかどうかといった条件の違いや、走行中に徐々に増していく疲労度が、この「時間の遅れ」の感覚にほとんど影響を与えなかったという点だ。「運動条件や(走行中の)タイミングによる差は見られなかった」と研究チームは報告している。

 この研究は参加者33人と小規模ではあるものの、その手法や発見の多くはこれまでの研究にはなかった新しいものだと研究チームは述べている。運動科学やアスリートのコンディショニングはここ数十年で飛躍的に進歩しており、新たな研究領域が開拓されている。今回の発見も、さらなる研究へと繋がっていくことだろう。