日本では、ここ数年移民に関する話題が注目を集めやすくなっていますが、ここ最近は、特定の外国人グループや難民といった人々が関わる事件や問題がクローズアップされやすくなっています。
私も自分の記事や著書『世界のニュースを日本人は何も知らない6』などでも移民問題を取り上げてきましたが、欧州でも日本と同じように大きな議論になっています。
参照:
日本は「ナタ」による犯罪に対処できる社会にする必要がある 近親婚の移民のために専門の看護師を雇うことになったイギリス 日本に中国人移民が押し寄せる近未来を日本人は何も知らない 海外でも外国人児童のサポートは十分ではないことを日本人は何も知らない
ただし、私が日本に関して大変気になっているのは、数値を用いたデータを使用して客観的な議論を行うことがあまり多くないと言うことです。
例えば、欧州で移民問題が特に議論されているのは、移民や難民を受け入れた場合の自治体や行政が負担するコスト、都市計画、医療や教育といったサービスをどう設計するかということです。
何人をどこに受け入れればどのぐらいの費用がかかり、費用を負担した場合に得られる経済的なリターンはいくらといったことを数値化して発表しています。
つまり移民や難民の受け入れは、国家の人口政策であり経済政策なので、あくまで費用対効果の視点で検討します。
欧州は税金が高額なため、そのような数値化したデータを用いた議論をしなければ、有権者が納得しないからです。
一方でそういったコストを透明化することで、有権者が激怒することもあります。
しかし、日本の場合はその「透明化する部分」がおろそかになっているのです。

移民問題で頻繁に取り上げられる川口市 Wikipediaより
透明化しないために様々な憶測が飛びかいました。ネットでは特定のグループを取り上げられやすくなり、事実ではないことが大炎上することもあります。