「誕生花や誕生石があるように『誕生魚』ってあるのだろうか?」先日、誕生日を迎えた筆者はふとこのようなことを考えました。幸運な花や石があるのであれば、幸運な魚もいるのでしょうか。誕生魚について、そして<魚と幸運の関係>を調べてみました。

(アイキャッチ画像提供:みのり)

あなたの【誕生魚】はどのサカナ? 縁起物とされているサカナと幸運の関係とは

サカナと幸運

日本において、魚は縁起の良い食材として扱われてきました。同様に、他の国でも幸運の象徴とされてきた魚がいます。

では、そもそも魚と幸運に関係はあるのでしょうか。

タイは縁起物

「めで鯛!」……なんていうダジャレもありますが、実際にマダイは縁起物として知られています。

お祝い料理の定番「尾頭付き」は尾から頭まで揃った姿が良いとされ、最初から最後まで全うする長寿の願いが込められているそうです。

あなたの【誕生魚】はどのサカナ? 縁起物とされているサカナと幸運の関係とはマダイの尾頭付き(撮影:みのり)

また「腐っても鯛」「海老で鯛を釣る」ということわざがあるように、タイは昔から縁起物だったことが伺えます。

成り上がりのゴンベッサ

現在では絶滅の恐れのある動物のため、商取引に関する国際条約である「ワシントン条約」の第一表に指定されているシーラカンス。

今でこそ珍しい魚とされるシーラカンスですが、かつてアフリカ大陸東南部に位置するコモロ諸島ではシーラカンスの一種が捕獲されていました。

「ゴンベッサ」と呼ばれていたそうですが、これは漁師達の間で「食べられない魚」「使えない魚」との語義をもつ言葉だったといいます。しかし現在では、ゴンベッサとは「幸運」という意味になっているのだとか。

かつては“使えない魚”と言われていた魚も、歴史と共に“幸運の魚”に成り上がることもあるようです。

あなたの【誕生魚】はどのサカナ? 縁起物とされているサカナと幸運の関係とは筆者が展示に携わったシーラカンスの標本(提供:みのり)

再生・生命のシンボルのサカナ

古代から魚や水族は、水害や災害など破壊をもたらすと同時に<恵みをもたらす象徴>としても捉えられていました。メソポタミア文明では悪魔祓いをする神官は、魚の皮をまとった姿をしていたとも言われています。