建設業における固定資産の蓄積は、先進国の中でも比較的多いという事になりそうです。
4. 対国内総生産比の推移
続いて、各経済活動における国内総生産(Value added, gross)に対する比率でも比較してみましょう。

図4 固定資本減耗 対国内総生産比 建設業OECD Data Explorerより
図4が建設業における固定資本減耗 対国内総生産比の推移です。
やはり近年のスペインの高水準が目を引きますが、日本もイタリアと同様比較的高い水準で推移しています。
ドイツやアメリカ、イギリスが5~7%程度に対して、日本は10%を超えている状況です。
5. 対国内総生産比の国際比較
最後に、対国内総生産比の国際比較をしてみましょう。

図5 固定資本減耗 対国内総生産比 建設業 2022年OECD Data Explorerより
図5が2022年の固定資本減耗 対国内総生産比の国際比較です。
日本は11.7%で、OECD30か国中4位となっています。
製造業ほどではありませんが、日本の建設業では稼ぎ出す付加価値に対して、固定資産への投資が相対的に大きい事になりそうです。
6. 建設業の固定資本減耗の特徴
今回は経済活動のうち建設業の固定資本減耗について着目してみました。
建設業は近年人手不足が深刻化する産業と言われます。
自動化への投資等で効率化を図る余地は大きい産業とも言われますが、既に固定資産への投資はかなり高い水準に達しています。
主に施設・設備や重機などへの投資となると思われますが、更なる自動化への投資が進むのか注目したい産業と言えますね。
皆さんはどのように考えますか?
編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2025年5月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。