大規模な販売店改革

 米国事業再建のカギの一つとなったのが、販売網改革だ。

「お客様を大切にする姿勢、顧客体験の向上をねらい、『Retail Evolution』と呼ばれる大規模な店舗やオペレーションの改革を実施しました。マツダのビジネスに対してロイヤリティが高い販売店を中心に販売網を整理し、顧客対応に注力した体制になるよう販売店へのインセンティブを台数から店舗への投資やサービスの質、お客様への対応の質向上をベースとしたものに転換しました。これにより、顧客満足度が向上し、リピーターが増加するという良いサークルが生まれました。商品、店舗のデザインの世界観の統一、またそれに見合う顧客体験の改善に取り組みました。

 マーケティング領域では、以前のクルマの性能や装備を主軸にしたものから、新しいブランドキャンペーン『Move and be moved』という顧客との感動的なつながりを重視しています、顧客にいきいきとした体験を提供すること、マツダ車を通じて新たな出会いや感動を体験することを重視したブランドキャンペーンを展開し、ブランド好感度と購入意向を向上させました」(マツダ)

 実際にここ数年、北米でマツダが販売店へ支払うインセンティブは、概ね日本の自動車メーカーの平均を下回る水準で推移している。

 では、マツダは今後のさらなる米国事業拡大に向けた計画・戦略をどう描いているのか。

「マツダにとって米国は最重要市場のひとつです。現在では関税増の政策が打ち出されており、自動車産業、市場の不透明さが高まってきていますが、外部環境動向を注視しながら適切な対策を取って行きます。商品面ではマツダの強みである高いデザイン性と走行性能をお客様のニーズに沿った動力源(内燃機関/電動化モデル)を取り揃えたマルチソリューション戦略で、環境性能とマーケットニーズを両立したモデルを今後導入して行く予定です。規模は小さいながらも、支持いただけるファンを増やし、なくてはならないブランドと言っていただけるように取り組んでいきます」(マツダ)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)

提供元・Business Journal

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