研究チームは、この脳の働きを「計量分析(綿密な論理をもとに統計的・数学的に分析すること)ではなくヒューリスティック(経験則や先入観に基づく直感的で素早い判断)である」とも述べています。
さらにベイカー氏は、「この結果は、私たちのサイズ認識が完璧ではなく、状況に影響される可能性があることを示しています。また、視覚システムの驚くべき適応性を浮き彫りにしています」と付け加えました。

人間は瞬時に判断する能力が優れて入るものの、その判断結果はかなり大雑把であり当てにならないことがあります。
多くの事故の原因が、この大雑把さに起因している可能性は否定できないでしょう。
人間の脳は素早く直感的な回答を出せるがゆえに、錯視で騙されやすくもなっていると考えられるのです。
「ぼかし加工でミニチュア模型に見える」錯覚は、人間の脳の知覚判断の方法や優先順位を解明するのに役立ちます。
これら人間の高度な手法は、今後ロボット工学やコンピュータビジョンなどの分野に影響を与えるかもしれません。
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参考文献
New research sheds light on how human vision perceives scale
https://www.aston.ac.uk/latest-news/new-research-sheds-light-how-human-vision-perceives-scale
Reality Blur: How Our Eyes Fool Us Into Misjudging Size
https://neurosciencenews.com/size-perception-vision-23199/
元論文
Blurring the boundary between models and reality: Visual perception of scale assessed by performance
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0285423