インド北部カシミール地方の穏やかな観光地であるバイサラン草原が、突如として銃撃戦の舞台となった。4月22日、26人が死亡する大規模なテロ事件が発生し、その瞬間をひとりの観光客が無意識のうちに記録していたことが明らかになった。
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ジップライン中に偶然記録されたテロの始まり
事件当日、家族とともに現地を訪れていた観光客リシ・バット氏は、ジップラインを楽しんでいる最中に自らのスマートフォンで動画を撮影していた。
その映像には、地上で突然発生した銃撃の様子と、パニックに陥る人々の姿が記録されていた。バット氏は当初、銃声にも気づかず、着地して初めて複数の人が撃たれている現場を目の当たりにしたという。
銃撃は「フロント・オブ・レジスタンス(TRF)」とされる武装組織によるもので、同グループはアメリカからテロ組織と認定されている。目撃証言によると、実行犯は犠牲者の宗教を問いただしたうえで銃撃しており、現場は凄惨を極めた。バット氏は妻子と共に地面の窪地に身を隠し難を逃れたが、至近距離で15〜16人の観光客が撃たれる光景を目撃していた。