「敵の蛇」が意味するもの、ピラミッド下の洞窟
コリンズ氏は、古代文化において蛇がしばしば天体現象の象徴として用いられたことから、「敵の蛇」は彗星の比喩ではないかと推測する。さらに碑文には、人々が「魂の冥界」と呼ばれる地下構造に神聖な物を保管したとも記されている。「これはギザの洞窟システムと、そこに含まれる可能性のある構造物に関連していると確信している」とコリンズ氏は語る。つまり、新たに発見された地下構造が、神話に記された避難場所である可能性を示唆しているのだ。
もちろん、こうしたコリンズ氏やハンコック氏の解釈は、主流のエジプト学者からは一般的に受け入れられていない。学者たちはエドフの碑文をあくまで神話的、象徴的なものと捉え、ギザとの直接的な関連性を認めない立場だ。
しかしコリンズ氏は、約3万年前のロシアのグラヴェット文化や、紀元前9600年に遡るトルコのギョベクリ・テペ遺跡など、驚くほど洗練された古代文化が存在した事実を挙げ、「人類史の公式な年表には、失われた章がある可能性を無視すべきではない」と反論する。

(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI),『TOCANA』より 引用)