信じるか、信じないか:真贋を巡る終わらない議論
「2062年から来た男」の言葉は、その衝撃的な内容と、東日本大震災という現実の出来事との奇妙な符合によって多くの人々の想像力を掻き立てました。しかし、その信憑性については、当初から現在に至るまで激しい議論が交わされています。
【信憑性を支持する意見】
「山に登れ」の警告:やはり東日本大震災(津波)や熊本地震を予見していたとしか思えない。
原発事故関連の発言:海洋汚染や後の放射能除去技術への言及など、事故後の状況を言い当てている部分がある。
国際情勢の変化:中国の台頭と摩擦、インドの存在感増加など、後年の情勢変化を部分的に示唆しているように見える。
一貫した口調と態度:複数回の出現において、冷静で知的な独特の口調が一貫している。
トリップキーの一致:◆GqwAR6gt9w というトリップキー(本人証明の符丁)が、主要な出現時期で一貫している(※ただし、トリップキーも解析やなりすましの可能性はゼロではない)。
【懐疑的な意見・矛盾点】
曖昧な表現と後付け解釈:「山に登れ」など、多くの予言は曖昧で、事が起きてから都合よく解釈されているだけではないか。
外れた予言:2022年7月4日の南海トラフ地震発生を示唆したとされる書き込み(※後述の偽物説あり)は明確に外れた。また、2024年に「大事件」が起こるとも言われていたが、具体的に特定できるような事件は起きていない(解釈次第ではあるが)。
矛盾する発言:「人口動態変化に繋がることは言えない」としつつ、男女比に言及しているとされる点。また、タイムトラベルに関する説明も詳細を避け核心に触れない部分が多い。
模倣犯・偽物の存在:彼の人気にあやかり、同様の口調やトリップキーを騙る偽物(なりすまし)が多く出現したとされる。特に2011年以降の書き込みの一部、あるいは大部分を偽物と断定する意見は根強い。「2010年の書き込みだけ本物」説はその代表例。
創作の可能性:非常に博識で、SF的な想像力に長けた人物による、巧妙なインターネット上の創作(ロールプレイング)である可能性。
特に「2010年の書き込みだけが本物」という説は、多くの支持を集めています。最初の出現時の緊張感や情報の質が、後の出現時とは異なると感じる人が多いためです。また、2011年7月の再訪時に彼自身が「Mr.Jaguarからアドバイスを受けたのでID?◆wbBrH1aGfMを変えるとする」と述べ、トリップキーを変更したかのような発言をしたことも、混乱と偽物説を助長する一因となりました。
真実がどうであれ、「2062年から来た男」が提示した未来像と、それに伴う質疑応答の記録は、読む者に未来への想像を掻き立てる力を持っています。