だが健康や体力は違う。確実に人生をポジティブにしてくれる。筆者は日々の食事や栄養管理を行い、筋トレやトレッドミル、エアロバイクと毎日1時間以上運動に時間を使っているが、運動不足気味だった20代と比べても今の方がよほど筋肉量も体力もある。

そのおかげで、仕事や勉強も捗るし、子供たちを連れての旅行も楽しめる。だが、生物学的にどれだけ努力してもここからは下り坂への一本道が待っている。それが分かるから「ああ、たとえ資産や収入が半分になっていいからできれば10年…いや5年でいいから若返りたい」と思ってしまうのだ。

人生は一生ないものねだり

思うに人生は一生ないものねだりが続く旅なのだと思う。

学生の頃は足が早い子に憧れ、勉強ができる子に憧れる。 社会人になるとハイキャリア、高収入に憧れる。 中年になると若さに憧れる。

結局、一生ないものねだりなのだ。そして若い頃にお金に焦がれている時はまだ夢がある。「今はまだ自分の本当に人生が始まっていない。まだまだこれから」と。しかし、中年になると、もはや若さは確実に、そして永遠に失われる。

30代後半から人は一生、若さを追求する人生がスタートする。だから若いうちに「若さこそが人生最大の資本」と気づけた人は、人生からより多くの価値を引き出せるだろう。

結局、我々は「今ここにあるもの」の価値を過小評価してしまいがちだ。

若さも、健康も、時間も、失って初めてその重みを思い知る。だからこそ、伝えたい。「若さ」や「健康」をあって当たり前と考えず、「未来を作る最大の投資資産」ということを。

 

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