そのためにも計11人の成人ボランティアを用い、喜び、驚き、恐怖、悲しみ、怒り、嫌悪という6つの感情を演じてもらいました。

参加者はそれぞれの感情表現を100回の繰り返し、それらのデータを使ってAIモデルの訓練を実施。

結果として92.8%の高精度で表情を分類することができました。

続いて研究チームは、「本当の気持ち」の正確な把握に取り組みました。

「本当の気持ち」を約90%の精度で識別

研究チームは、特定の感情を呼び起こすよう設計されたビデオクリップを作成。

それらを最初と同じ参加者に視聴してもらい、デバイスが本当の気持ちを識別できるか調べました。

その結果、デバイスは、驚きや怒りの際に生じる体温や心拍数の上昇などを検知。

88.83%の精度でそれぞれの感情を正確に識別できることが分かりました。

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本当の気持ちを約90%の精度で検出することに成功 / Credit:The Pennsylvania State University

つまりこのデバイスは、単に表情だけでなく、表情と本当の気持ちの差も把握することができるのです。

従来のカメラを用いた顔表認識デバイスは、表情でしかその人の気持ちを判断できません。

しかし今回開発された技術は、直接「内側の変化」を捕らえるため、外見ではわかりにくい心情もしっかり読み取れるようになります。

研究チームも「目に見える表情や言葉では分からない素直な感情反応を発見する道具になりえる」と述べています。

このデバイスは、私たちの日常的なコミュニケーションに利用できるだけでなく、精神的な健康に悩んでいる人や、そうした人々をケアする人を助けるものとなるでしょう。

話すことや感情表現が苦手な人、自分や他人をもっと理解したい人など、多くの人がこの技術を用いて円滑なコミュニケーションを行えるようになるのです。

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参考文献

Emotion-assessing wearable is like a mood ring for the face
https://newatlas.com/medical-devices/emotion-assessing-facial-sticker/