テスラ車人気が上昇しているわけではない?
そんな日本のEV市場で、なぜ今になってテスラの販売が急伸しているのか。自動車評論家の国沢光宏氏はいう。
「日本におけるテスラ車の販売台数はものすごく少ないため、まとまった量の在庫が輸入されたり、マイナーチェンジがあったりといった何らかの要因が発生すると、前年同期比ベースでみると割合が大きく伸びるということは、簡単に発生します。ですので、今回5割増になったからといって、特段に注目すべきことはなく、またテスラ車の人気が急に高まったというわけではないでしょう」
なぜ日本ではテスラ車の販売台数が少ないのか。
「自動車単体としてみると、悪くはないですし、日本車と比較して大きく劣っているという点はあまりないです。ただ、購入後のメンテナンスや故障時の対応という面には難があります。例えば、交換用部品の取り寄せに1カ月以上かかったり、テスラに不具合だと報告しても認めてもらえなかったりといったことも少なくなく、購入するには不安があります。なので、日本メーカーのEVが手に入るなかで、あえてテスラ車を買う理由がないというのが正しい言い方かもしれません。また、現在ではアウディやフォルクスワーゲンの実質新車といえる車がテスラと同じ水準の価格で買えるため、外車を求める人はそちらのほうを選択するということも、あるかもしれません」(同)
自動車メーカー関係者はいう。
「客観的なデータとして、日本ではEVはまったく売れていないといっていい状態です。国も力を入れていないため充電ステーションの数も微々たるもので、ガソリン車でもまったく困ることはなく、EVが売れる要因がありません。よって、メーカー各社は現段階ではEVの販売に力を入れておらず、それは当然でしょう。ただ、それはEV開発に力を入れていないというわけではなく、20~30年後のEV普及期を見据えて、より低価格で性能の高いEVを生み出すべく開発を着々と進めています。一方、テスラはEVの専業メーカーなので今、EVを売るしかありません。よって、テスラのEV販売が伸びていることについて、日本メーカーは特に何も感じていないというのが実情でしょう」
(文=Business Journal編集部、協力=国沢光宏/自動車評論家)
提供元・Business Journal
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