筋トレと聞くと、ダンベルを持って肘を曲げる収縮運動がよくイメージされますが、実は肘を曲げた状態からゆっくりと伸ばす伸長運動の方が負荷が大きく、効率的に筋力を増大できることが分かっています。
そしてこれは2023年の研究ですが、豪エディスコーワン大学(ECU)と新潟医療福祉大学は、伸長運動は1回3秒を週に3日行うだけで顕著な効果が得られることを報告しています。
筋トレに必要な時間は1カ月でわずか約36秒、両腕を合わせても約72秒で済む計算になります。
研究の詳細は、2023年7月28日付で科学雑誌『European Journal of Applied Physiology』に掲載されました。
目次
- 筋肉を増加させる2種類の動作
- 効果を得るには「1回3秒を週3日」だけで十分?
筋肉を増加させる2種類の動作
まず、ウエイトトレーニングは主に2つの動作に分かれます。
1つ目は「コンセントリック運動(短縮性筋収縮)」と呼ばれるもので、重りを持ち上げたり、引き上げる動作です。
ダンベルなら腕を伸ばした状態から力こぶを作るような形で肘を曲げる動作になります。
ここでは筋肉を収縮させながら力を発揮するので、筋肉の強度を高めるのに有効です。

2つ目は「エキセントリック運動(伸張性筋収縮)」と呼ばれるもので、腕を伸ばすように重りをゆっくりと降ろす動作になります。
ダンベルなら肘を曲げた状態から前方に伸ばす動きを指し、重力に逆らうように「ゆっくりと」伸ばすことがポイントです。
近年の研究では、このエキセントリック運動の方が筋肉により大きな負荷がかかり、筋肉量を効率的に増やすのに有効であることが明らかになっています。