普段は水深1000メートル付近の深海に生息していますが、獲物を求めて浅い場所まで浮上してきます。

彼らの最大の特徴はなんと言っても口です。
英名で「クッキーカッターシャーク(Cookie-cutter shark)」と呼ばれる通り、クッキーをくり抜くときの型のような口をしています。
これで獲物の体に噛みつき、体をひねるように回転させて相手の肉をくり抜くのです。

またダルマザメは恐れ知らずの魚として知られ、自分より大きな相手にも臆することなく噛みつきます。
今回のメカジキもそうですが、他にクジラやホオジロザメ、海の頂点捕食者であるシャチまでも標的とします。
私たちヒトは住む領域が違うので基本的に襲われることはありませんが、2009年に一度だけ、ハワイ沖で遠泳の選手が胸と左ふくらはぎを噛まれたケースがあるそうです。
ウォーカー氏いわく、ダルマザメは「標的が遊泳している隙にすばやく忍び寄って、肉の塊をくり抜き、相手に反撃の時間を与えることなく、即座にその場を後にする」という。

さらにダルマザメは自分から標的に近づくだけでなく、より小さな魚のふりをすることで獲物を誘き寄せるといいます。
彼らの腹部には「発光器官」が点在しており、それを水中で光らせます。
すると、下から見上げる魚たちの目には、ダルマザメのお腹が陽光を反射する水面と同化してしまい、胴体がほとんど見えなくなります。