“OpenAI色”が強すぎると、競争優位性を損なう要因になる可能性
エッジAIプラットフォーム「Actcast(アクトキャスト)」を提供するIdein株式会社の中村晃一CEOはいう。
「いくつかポイントがあると思います。マイクロソフトの行動パターンとして、特定の技術を持つ企業とパートナー契約を結び、内製で独自技術を開発して収益を最大化させるということは、過去何回もやってきたことです。ですので今回も独自の生成AI技術の内製化を図っていると考えられます。生成AI関連の技術というのは、もちろんOpenAIがフロンティアではありましたが、現在では多くの企業が開発競争を繰り広げており、OpenAIでなければ開発できないものというのは、実のところ、それほどあるわけではありません。グーグルのGeminiしかり、同様の技術がたくさん出てきています。マイクロソフトは潤沢な資金を持っており、自社で独自の生成AIを開発してクラウドサービスのAzureやOffice Suiteなどに活用していこうという方向になるのは当然でしょう。
もう一つが、ビジネスの側面です。Windows OSやMicrosoft Officeというマネタイズできる巨大なビジネスを有しており、いちいちOpenAIにライセンス料を取られて利益を吸い上げられるということは避けたいはずです。基本的にマイクロソフトはプラットフォームビジネスなので、特定の企業の生成AIだけを使うというのはビジネス的にはマイナスに働いてきます。いろいろな会社の技術を、いろいろな製品・サービスに使えるようになっておきたいというのは、あるでしょう。逆にいえば、“OpenAI色”が強すぎると、競争優位性を損なう要因になる可能性もあります。このほか、エコシステムの価値を最大化という観点で、特定企業に依存するリスクを回避するという意図もあるでしょう」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=中村晃一/Idein代表取締役CEO)
提供元・Business Journal
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