そこで登場したのが、NTTの研究チームによる「雷を誘導するドローン」です。
このドローンは、雷雲の下で意図的に雷を誘発させ、安全な方向へ導くという前例のない試みに挑んでいます。
そしてついに、NTTは世界初となる成功例を報告しました。
世界初!耐雷ドローンによる雷の誘発・誘導に成功!

この実験で使用されたのは、雷撃に耐えるよう設計された「耐雷ドローン」です。
ドローンで雷を誘導するには、雷が落ちてもドローンが飛行し続ける必要があります。
そのため、機体には金属製のシールドである耐雷ケージを取り付けました。
これにより、ドローンに雷が直撃した際の大電流はドローン本体を避けて迂回され、地上へと送られます。

また、電流を放射状に流すことで、この時に発生する強い磁界も互いに打ち消し合うようにし、ドローンへの影響を低下させています。
そしてこの耐雷ドローンを雷雲の下に飛行させ、地上からワイヤを伸ばすことで雷を誘発します。
雷を誘発させるために地上側に高圧スイッチが取り付けられており、操作することでドローン周辺の電界強度を上昇。雷の誘発を促すのです。

そして2024年12月~2025年1月に島根県の山間部の標高900m地点で行われた実験では、実際に破裂音や発光と共に雷がドローンに落ちる様子が観測され、機体がその電流を安全に地面へと導きました。
雷の衝撃で耐雷ケージの一部が溶けたものの、ドローン自体の飛行性能には問題はなく、そのまま任務を継続できたとのこと。

NTTは世界で初めて、ドローンを使用した雷の誘発・誘導に成功したのです。