みなさんにとって、愛犬はどんな存在ですか?
家族の一員、頼れる友達、それとも可愛いわが子?
この素朴な問いに、科学がひとつの答えを出しました。
ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)の研究チームは最近、飼い主と愛犬との関係が人間関係とどのように似ていて、どう異なるのかを調査。
その結果、飼い主にとって愛犬は「子供」と「親友」の良いところを併せ持った存在であることが示されたのです。
一体どういうことでしょうか?
研究の詳細は2025年4月22日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されています。
目次
- 人間にとって犬はどんな存在?
- 年齢や家族構成で「犬との関係」も変わっていた
人間にとって犬はどんな存在?
人類と犬との関係は2万年以上前に始まり、今や私たちにとって犬は最良のパートナーとなっています。
私たちと犬との関係は、犬の家畜化以降、大きく変遷してきました。
かつては主に労働力としてのみ扱われることもありましたが、今日では世界中で家族の一員と見なされるほど大切な存在になっています。
とはいえ、犬が私たちの社会的ネットワークの中で果たす「具体的な社会的役割」については、これまであまり明らかにされていませんでした。
人間の社会的ネットワークは、さまざまな相手から構成され、それぞれに与えてくれる役割が違います。
たとえば、恋人は親密さや心理的な援助を、子どもは養育の機会や長く続く安定した関係性を、親友は低ストレスで気軽な付き合いをもたらしてくれます。
では、犬との関係性は私たちにとってどのようなものなのでしょうか?

今回の研究では、717名の犬の飼い主を対象に、犬との関係と人間関係(子ども、恋人、親友、親族)について13項目の尺度で比較調査を実施。
親密さ、信頼性、愛情、満足度、衝突、支配関係など、さまざまな関係性の要素を細かく測定しました。