批判者たちは自分の行為を「弱者を守るため」と正当化していますが、実際には単なる自己満足です。もし本当に当事者のことを考えているなら、まず本を読み、その上で建設的な対話を行うはずです。
さらに皮肉なのは、彼らの行為が発達障害を含む多様な特性についての理解を深めるための議論そのものをタブー視させ、結果的に当事者に不利益をもたらしていることです。
結論:無知と偽善を超えて
この書籍をめぐる騒動は、現代社会における議論の劣化を象徴しています。本を読まずに批判するという愚かさ、「正義」の名を借りた自己満足的な攻撃、そして批判の結果として当事者理解がむしろ阻害されるという皮肉です。
この状況を乗り越えるためには、批判する前に本を読み内容を理解すること、感情的な叩きではなく建設的な提案をすること、そして自分が「正義の側」にいるという思い込みを疑ってみること。SNSでの軽率な批判に参加する前に、「自分は本当にこの本を読んだのか?」と、冷静に問い直すべきです。
読まずに批判するという知的怠慢から脱却し、真に建設的な対話を通じて社会を前進させる—それこそが、この騒動から学ぶべき教訓です。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』(神田裕子著)三笠書房
[本書の評価]★★★★★(90点)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)