「これは非常に興奮すべき発見です。

これにより、剣闘士たちが生前どのような戦いを経験していたのかについて、より具体的なイメージを構築できるようになります。

またライオンなどの大型肉食獣、あるいは他の外来種の動物が、ヨークのようなローマ以外の都市の円形闘技場にも実際に登場していたことが裏付けられました。

ライオンたちもまた、死の脅威から自らを守らなければならなかったわけです」

これまでの調査から、イングランドの都市ヨークでは、4世紀頃まで剣闘士イベントが開催されていた可能性が指摘されています。

これは当時、この都市に多くの高位軍人や政治家がローマから赴任していたことと関係していると考えられます。

ローマの有力者たちがヨークに駐在していたことで、豪奢な社交生活が求められたはずであり、それに伴って、ローマと同じくらい過激で興奮する剣闘試合が求められたことでしょう。

剣闘士「6DT19」はまさに、その求めに応じてライオンと本当に戦った勇敢な戦士だったと見られます。

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参考文献

Study reveals skeletal evidence of Roman gladiator bitten by lion in combat
https://www.eurekalert.org/news-releases/1080670

Scientists Discover First Probable Evidence of a Roman Fighter Mauled by a Lion
https://www.sciencealert.com/scientists-discover-first-probable-evidence-of-a-roman-fighter-mauled-by-a-lion

元論文

Unique osteological evidence for human-animal gladiatorial combat in Roman Britain
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0319847