脳内で起きる変化――覚醒と夢のあいだ

 デミレル氏のチームは、5つの国際研究機関から26人の明晰夢経験者による44回の明晰夢エピソードを収集。これらの脳波データを徹底的にクリーンアップし、通常の夢や覚醒時と比較した。

 その結果、右側頭頭頂接合部(自己認識や空間認識に関わる部位)ではベータ波(12〜30Hz)の活動が減少し、左側頭葉(言語や洞察に関連する部位)ではガンマ波(30〜36Hz)が増加していることが判明。これは夢の中で自分が夢を見ていると気づく瞬間、脳内で一種の「内なる対話」が行われている可能性を示している。

 さらに、アルファ波(8〜12Hz)の脳内接続性が向上しており、これは通常の夢や覚醒時とも異なる特徴である。精神の拡張が起きる幻覚剤状態とは逆に、自己意識が強化されていることがわかった。

ただの夢じゃない…「明晰夢」は本物の意識状態だった!脳波研究が示す新たな証拠
(画像=イメージ画像 generated using QWEN CHAT,『TOCANA』より 引用)