約4万年前にネアンデルタール人が絶滅してしまったのは「日焼け」のせいだったのかもしれません。
そしてホモ・サピエンスが生き残ったのは「日焼け止め」を開発できたおかげかもしれません。
米ミシガン大学(University of Michigan)の研究チームはこのほど、約4万1千年前に起きた地磁気異常「ラシャンプ地磁気エクスカーション」により、地球の磁場が急激に弱まっていたことを明らかにしました。
この時期、宇宙からの有害な紫外線が地上に大量に降り注ぎ、これにどう対応したかが、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の命運を分けた可能性があるようです。
研究の詳細は2025年4月16日付で科学雑誌『Science Advances』に掲載されています。
目次
- 4万年前に発生した磁場の異常現象
- ネアンデルタール人は「日焼け」で絶滅した?
4万年前に発生した磁場の異常現象
地球は「磁場」という見えない磁力のバリアに包まれています。
この磁場は、地球の外核を流れる溶けた金属によって作られ、宇宙から飛来する太陽風や宇宙線といった高エネルギー粒子を遮る「磁気シールド」のような役割を果たしています。
しかし、この磁場は常に安定しているわけではありません。
地質学的な時間スケールで見ると、磁場の向きが逆転したり、一時的に弱まったりすることがあります。
その一例が「ラシャンプ地磁気エクスカーション」です。
これは今から約4万1千年前に起きた現象で、研究チームの新たな調査によると、地球の磁場が現在の10%程度にまで弱まり、磁極の位置も大きくずれていたことがわかりました。
