埼玉県八潮市で今年1月に発生した大規模な道路の陥没事故を受けて、県は復旧に向けた具体的な計画を専門家の委員会に提示しました。計画では、壊れた下水道管の補修に加えて、新たにもう一本の管を設ける「複線化」という方法を取り入れ、工事の完了までには5年から7年程度かかると見込まれています。
八潮の道路陥没の周辺約2kmで「ダブル下水管」実施方針 埼玉県 5~7年かけ増設、さらに下流部でも検討ZCaHR1fUL9
— 東京新聞デジタル (@tokyo_shimbun) April 23, 2025
委員からはおおむね賛同が得られましたが、地質調査や工事ルートの検討については慎重な対応を求める声もありました。
現在、現場では行方不明となっているトラック運転手の救出作業が進められており、下水の流れを一時的に別のルートへ逃がす工事や掘削作業が行われています。救出後に本格的な復旧工事に取りかかる予定です。事故現場は、12の市町から排水が集まる重要な拠点であり、複線化することで今後の修理や点検のための代替ルートも確保できます。
八潮陥没事故、本格復旧に5~7年 運転手救出は5月中旬以降F9eqdOotXz
現在、現場周辺では応急的に汚水を迂回させるバイパスなどの工事が進んでいます。それらが完了してから運転手を救出し、本格的な復旧に着手する見通しです。
— 毎日新聞 (@mainichi) April 23, 2025
工事は約2キロの範囲にわたり、さらに下流の処理施設まで延ばす案も検討中です。工事には新たな土地の取得が必要になる可能性もあり、予算はまだ決まっていません。

事故後まもない現場のようす NHKより
この事故は、他の地域でも起こりうるものであり、同様の事態を防ぐためには、老朽化した下水道管を早急に交換していく必要があります。昭和の時代に整備された「流域下水道」は、複数の市町の排水を1か所に集める仕組みですが、この集中型システムがかえって被害を大きくし、修復を難しくしているとの指摘もあります。今後は、リスクを分散させる新しい考え方も求められます。