一方、自営業者が加入する国民健康保険はさらに深刻な状況です。例えば京都市は2025年度に平均で約10%の保険料引き上げを決定。高齢化による医療費増加や財源不足が理由で、これまでのような基金や一般会計による補填は限界を迎えています。

政府は保険料抑制のため、高額療養費制度の見直しなどを打ち出していましたが、物価高の影響もあり改革は凍結中です。歳出改革による圧縮も計画されていますが、実行が遅れればさらなる負担増は避けられません。制度の持続性と公正な負担のあり方について、一刻も早い見直しと具体策の実行が求められています。

このような中、社会保障制度の改革が進まなければ、企業や家計への負担がさらに増大し、持続可能性が危ぶまれます。​しかし、政治や世論の一部では、社会保障の重要な財源である消費税の減税を求める声が上がっており、制度の安定性に対する懸念が高まっています。

現在、健康保険料などの社会保険料が上昇し続けており、賃金の増加による恩恵が実感しにくい状況です。​特に現役世代は、高齢者医療を支えるための負担が増加しており、この構図には限界が近づいています。