では、ペットを飼うことは人生満足度にどの程度の影響を及ぼしていたのでしょうか。
ペットと暮らすことには「年間1300万円の価値」がある
分析の結果、ペットを飼うことで人生満足度は平均3.74ポイント向上することが示されました。
人生満足度1~7点の尺度で約3~4ポイント上昇することを考えると、ペットを飼うことがいかに大きな影響を及ぼしているかが分かります。
さらに、この満足度向上を金銭価値に換算すると、年間約7万ポンド(約1,324万円)に相当することが分かりました。
この金額は、結婚や親しい友人・親族との定期的な会合で得られる幸福度とほぼ同等です。

また、性格特性との関連も明らかになりました。
猫を好む人は「開放性」が高く、犬を好む人は「外向性」と「協調性」が高く、「神経症傾向」が低い傾向が見られました。
しかし性格特性を統制した後でも、ペット所有の幸福効果は消えず、万人に共通するメリットであることが示されています。
今回の研究結果は、ペットを単なる愛玩動物ではなく、心身の健康を支える“無形の資産”として再評価すべきことを示しています。
実際、ドイツではその点を評価し、ペット可賃貸物件の割合拡大や、アメリカの高齢者施設におけるセラピードッグ導入などを行っています。
これらを参考に日本でもペット可住宅の整備や高齢者施設でのペット同伴プログラムを推進するなら、国民全体の幸福度が向上するかもしれません。
忙しさに追われる現代人にとって、愛するペットとの穏やかな時間こそが、本当の豊かさを教えてくれるのかもしれません。
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参考文献
New study proves pets increase human life satisfaction and wellbeing Olivia Miller
https://www.kent.ac.uk/news/health-social-care-and-wellbeing/36435/new-study-proves-pets-increase-human-life-satisfaction-and-wellbeing