新たなデータベースと市民科学への期待

 こうした研究の難しさを乗り越えるため、ハドソン氏とミラー氏は、過去何世紀にもわたる船乗りたちのミルキー・シー目撃記録を集め、それを最新の衛星データと組み合わせるというアプローチをとった。

 彼らの研究論文では、30年以上ぶりにまとめられた貴重な目撃情報のデータベースを公開するとともに、ミルキー・シーの発生と、エルニーニョ現象のような大規模な気象パターンとの間に統計的な関係があるかどうかを初めて分析している。これにより、ミルキー・シーがいつ、どこで発生しやすいのか、その原因や予測の手がかりを探ろうとしているのだ。

 研究者たちは、かつて「Marine Observer」という刊行物が、一般の船乗りたちからの報告を集めてミルキー・シーの貴重な情報を得ていた例を挙げる。そして、ソーシャルメディアなどが発達した現代において、このような「市民からの情報収集」の仕組みを復活させることが非常に重要だと主張している。これは、「科学者と、実際に海で現象に遭遇する可能性のある人々(船乗りなど)とを結びつける、貴重な架け橋になる可能性がある」というのだ。

「ソーシャルメディアのような現代のツールを活用すれば、世界中の人々から目撃情報を集め、専門家がそれを整理・分析することで、ミルキー・シーのような、まだよく分かっていない現象の研究を大きく進めることができる」と彼らは期待を寄せる。

 謎に満ちた“光る海”は、いま科学の光で照らされ始めているのかもしれない。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?