ひときわ異彩を放つ「スカルヒル」
科学者たちが「浮遊岩(float rocks)」と呼ぶこれらの「場違いな石」は、火星では珍しいものではない。風や水、あるいは隕石の衝突などによって、本来の場所から移動してきたと考えられる岩石だ。しかし、ポート・アンソン周辺に多くの浮遊岩が見られる中でも、「スカルヒル」はひときわ異彩を放っており、NASAの科学チームに多くの疑問を投げかけている。
スカルヒルは、パーサヴィアランスに搭載されたカメラ「Mastcam-Z」によって4月11日に発見された。ゴツゴツとして角張り、表面には奇妙な穴がいくつも開いている。そのチョークのような灰色がかった黒い色は、周囲の明るい色の地面とは際立った対照を見せている。