2025年という年は、もし映画で描かれるなら、奇妙なコメディと地政学的なサスペンスが入り混じったような作品になるだろう。ケイティ・ペリーが宇宙旅行(わずか10分の準軌道飛行だが)を発表し、イーロン・マスクがトップを務める「D.O.G.E」なる政府機関が設立されるなど、すでに歴史上でも予測不可能な年の一つとして数えられそうだ。

 しかし、こうした奇抜なニュースの陰で、数十年前にある女性によってなされた一つの予言が注目を集め、激しい議論を呼んでいる。その女性の名は、ジーン・ディクソン。

20世紀最も物議を醸した予言者、ジーン・ディクソン

 1904年生まれのジーン・ディクソンは、20世紀で最も物議を醸した霊能者の一人として知られている。自称「予言者」である彼女は、多くの人々にとってまるでフィクションの筋書きのように思える、数々の予言を行った。

 例えば1956年、彼女は雑誌『パレード』のインタビューで、「次に(1960年に)選出されるアメリカ大統領は民主党員であり、任期中に死ぬだろう」と断言した。その3年後、ジョン・F・ケネディが大統領に就任し、1963年に暗殺された事実は、この予言の的中として広く知られることとなった。

 また、1971年に出版された彼女の自伝には、ニューヨークの高層ビルへのテロ攻撃に関する警告が記されており、これを2001年の9.11同時多発テロと結びつける人も少なくない。