水曜日、カリブ海に浮かぶアメリカ自治領プエルトリコで島全体が停電に見舞われ、140万人以上の住民が暗闇の中に置かれる事態となった。地元の電力当局は、午後0時40分頃にシステム障害が発生したと報告しているが、これは奇しくも、強力な「磁気嵐」が地球を襲っていた時間帯とほぼ一致していた。
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磁気嵐とは? 電力網への影響
磁気嵐とは、太陽表面での大規模な爆発現象(コロナ質量放出など)によって放出されたプラズマ(電気を帯びたガス)の塊が地球に到達し、地球の磁場を一時的に乱す現象だ。
今回の磁気嵐は、G1(小規模)からG5(極めて大規模)までの5段階評価で「G4(深刻)」レベルに達した。宇宙天気物理学者のタミサ・スコフ博士は、停電の発生と磁気嵐がG4レベルに強まったタイミングがほぼ同時だったと指摘する。
G4レベルの磁気嵐は、「地磁気誘導電流(GIC)」と呼ばれる異常な電流を電力網に発生させる可能性がある。これが変圧器などの重要インフラに過負荷をかけ、大規模な停電を引き起こすことがあるのだ。当局は水曜日、この磁気嵐によって送電網全体の電力の流れの管理が妨げられ、安全システムが誤作動して一部のネットワークが意図せず停止する可能性があると警告していた。