その後、思春期になると友達との関係が最重要になる。この段階では子供にとって友達との関係性が人生の全てになり、そこで生じた軋轢や信頼関係などの経験が大きく影響する。
成長して社会人になれば上司や同僚など、年代やバックグラウンドが大きく異なる相手との関係が始まり、人によっては恋愛、結婚、育児とステージを変えていく。
対人関係のスキルは“年相応の期待値”があるので、年を重ねるほど苦しくなる。昔、過去記事で取り上げたことがあるが、40代で司法試験浪人を続けていた中年男性は精神年齢が中高年で止まったままであり、「友達と夜通し騒いで遊びたい」という思春期で抱く願望を持ったまま中年になってしまっている。
だが、40代でそんなことに付き合ってくれる人はいない。年齢相応の人間関係スキルを逃すと、後からそれを取り戻すことができなくなるのだ。
人間関係は王道をいけ
世の中、生き方は1つではないと思っている。自分も中高生で不登校でほぼ学校に行かなかったし、ニート・フリーターを5年もやってすごく遅れて大学生になったりしたし、サラリーマンもやめて脱サラしてしまったので人生序盤から王道の道から外れっぱなしだった。
しかし、そんな自分も「人間関係だけは王道ルートがいい」と思っている。正直、若い時は一人でも何も問題ない。若いというだけで性別に関係なく、チヤホヤされて年上からかわいがってもらえるし、多少間違いを犯しても許してもらえる。
だがその無敵の魔法は30代で解ける。そこからは「その年ならこのくらいできて当たり前でしょ」という周囲から高い期待値を感じ続けることになる。そして人生は仕事を始め、恋愛や近所付き合いなど一人では完結不可能な場面が必ずやってくる。
「王道の人間関係ルート」は若い時は面倒でも、実はトータルで見れば一番“楽”なのだ。
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もちろん、「結婚しない」「子どもを持たない」といった選択は尊重されるべきだと思っている。しかし、それと「人間関係そのものを避ける」は別問題だ。